「アフリカ地域パワープール促進のための広域連携強化プロジェクト」の開始について

2024年 10月 15日

東電設計株式会社

東電設計株式会社(代表取締役社長:窪 泰浩)(以下、「当社」)は、独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」)から「アフリカ地域パワープール促進のための広域連携強化プロジェクト」(以下、「本プロジェクト」)を受託し、現地10月14日、ジンバブエ国ハラレにおいて南部アフリカパワープール(SAPP: Southern African Power Pool*1)事務局とキックオフ会議を行い、本プロジェクトに本格的に着手しました。

アフリカ地域では東部、西部、中部、南部のエリアで国境を越えて電力系統を発展させ、相互の発電力を融通するパワープールを構築していますが、本事業はSAPP事務局と西部アフリカパワープール(WAPP: West African Power Pool*2)事務局、二つの実施機関から同時に技術協力プロジェクトの要請が発出され、合同で本プロジェクトを実施することにしたものです。

SAPP地域内ではコンゴ民主共和国の豊富な水力資源と南アフリカ共和国の石炭火力依存という特徴がありますが、南アフリカ共和国は電力需給バランスのギャップが顕著で計画停電が経済にも影響を与えており、またジンバブエ共和国でも電力不足に苦しんでおり、SAPP全体では電力需給のバランスを保つべく、コンゴ大水力発電所開発推進とともに域内電力融通を促進することが求められています。
 WAPP域内では、14か国の電力会社がWAPPに加盟し、広域電力市場の構築を目指していますが、周波数安定性や広域市場運用面での課題があり、技術レベルの向上や人材育成が急務とされています。

本プロジェクトは、両域内の需要予測に基づいた電源開発/国際連系線開発の優先案件検討と、域内研修を通じた広域系統運用、電力市場運用の能力強化を行うことにより、アフリカ全体の電源/国際連系線開発、広域系統運用や市場運営改善の一体的推進を図り、クリーンで安価な電力の安定的な利用促進を企図するものです。

当社は「“Engineering for The NEXT” 持続可能で安全・安心な社会のために、尖った技術と総合力で明日を拓く」をミッションとし、東京電力グループの一員として長年培ってきた高度な技術力と豊富な経験を十分に活用し、上記目的達成のため努力してまいります。

*1 南部アフリカパワープール(Southern African Power Pool:SAPP):南部アフリカにおける電力企業の代表から構成され、加盟国に対して信頼性と経済性の高い電力供給を行うことを目的に設立された組織。加盟国は、ボツワナ共和国、モザンビーク共和国、マラウイ共和国、南アフリカ共和国、エスワティニ王国、レソト王国、ナミビア共和国、アンゴラ共和国、コンゴ民主共和国、タンザニア連合共和国、ザンビア共和国、ジンバブエ共和国、の12か国。

*2 西部アフリカパワープール(West African Power Pool: WAPP):西部アフリカにおける電力企業の代表から構成され、統一された地域電力市場にすることで、中長期的に西部アフリカ地域の市民に競争力のあるコストで定期的かつ信頼性の高いエネルギーを供給することをビジョンに掲げ設立された組織。加盟国は、ベナン共和国、ブルキナファソ、コートジボワール共和国、ガンビア共和国、ガーナ共和国、ギニア共和国、ギニアビサウ共和国、リベリア共和国、マリ共和国、ニジェール共和国、ナイジェリア連邦共和国、セネガル共和国、シエラレオネ共和国、トーゴ共和国、の14か国。

「アフリカ地域パワープール促進のための広域連携強化プロジェクト」
概要

1.業務期間・対象地域

  • 2024年8月 ~ 2027年9月(予定)
  • SAPP地域、WAPP地域

2.契約先

  • 独立行政法人国際協力機構(JICA)

3.事業目的

  • SAPP、WAPP両域内の需要予測に基づいた電源開発/国際連系線開発の優先案件検討と、域内研修を通じた広域系統運用、電力市場運用の能力強化を行うことにより、アフリカ全体の電源/国際連系線開発、広域系統運用や市場運営改善の一体的推進を図り、クリーンで安価な電力の安定的な利用促進を企図するもの。

4.主な活動内容

<SAPP>

  • SAPP域内の長期的な供給および需要予測に基づき、優先的に開発すべき広域電力インフラが特定される。
  • 域内研修の実施等を通じ、広域系統運用にかかる改善策が策定される。
  • 域内研修の実施等を通じ、電力市場運営にかかる改善策が策定される。

<WAPP>

  • WAPP 地域の長期需給予測に基づき、JICAが考慮すべき電源開発/国際連系線開発の優先案件を検討する。
  • 最新の研修ニーズを踏まえ、WAPPの人材育成プログラム構想(CBPI)を更新する。
  • 地域研修の準備と実施を通じて、(広域融通に関わる)系統運用者の能力強化を行う。
  • 地域研修の準備と実施を通じて、(広域融通に関わる)市場運用者の能力強化を行う。

5.その他

  • (SAPP(左図ジンバブエ共和国)、WAPP事務局(右図ベナン共和国)のある国
    (SAPP(左図ジンバブエ共和国)、
    WAPP事務局(右図ベナン共和国)のある国
  • 現地キックオフ会議
    現地キックオフ会議

以  上

<本件に関するお問い合わせ先>
東電設計株式会社 広報室      070-8830-0420(直通)